「日本漢字能力検定」による単位認定

国公立大学では日本で初めて「日本漢字能力検定」による単位認定制度を導入」2001年3月
http://www.kanken.or.jp/kashi/267/01b.html

 茨城県内の水戸、日立、阿見(あみ)に3つのキャンパスを構える国立茨城大学国公立大学では日本で初めて「日本漢字能力検定」による単位認定制度を導入した教育学部など、社会が求める人材の育成や学生の学習に対するニーズの多様化に対応した、独自のカリキュラムや単位認定制度が注目されています。

●高い学習効果をねらい取得可能な目標を設定
 茨城大学人文学部では教育学部に続き、漢検の資格を大学での取得単位に認める単位認定制度を平成12年度からスタートさせました。

 「いち早く漢検を単位認定に導入していた教育学部の前例もありましたし、なによりも学生の漢字能力の向上が期待できますから」と、制度導入を積極的に働きかけた中国文学が専門の加納先生は話されます。

 漢検2級以上に合格した人文学部の学生は、資格取得が大学入学以前・以後にかかわらず、5つの認定授業科目の単位認定を申請できます。2級合格で2単位、準1級で4単位、1級なら6単位まで認定されます。平成12年度前期は14人の実績がありました。「英検の場合は、2級は高卒程度、準1級は大学2年修了程度、1級は大学4年修了程度というわかりやすい基準があるので、準1級以上から単位が認定されます。漢検にもそれに準じた基準があるのですが、現実的には漢検の準1級の取得は非常に難しい。
 学生が達成可能と思える目標を設定するほうが、学生の学習意欲を喚起して漢字能力の基礎知識を会得させる、また、講義の活性化を図るという点で効果的だと考えたので、漢検については2級から単位を認定しています」と話されるのは教務委員の佐藤先生です。

●学生の意識にも変化が
人文学部ではほかにも、フランス語検定や他大学または本学入学以前に修得した単位を既修単位として認めています。その取り組みについて、教務委員長の鈴木芳男先生は「資格検定に合格すれば、一定のレベルに到達していると客観的に判断できますし、認定を受けた学生が専門分野をより深く学習するための予備知識を得ることにもなります」と、また、人文学部長の鈴木由紀生先生は、「今後は大学間での単位互換なども活発に行われるようになるでしょう。学生の視野や知識の幅を広げるという意味でも前向きの取り組みではないでしょうか」と話され、各種検定による単位認定はメリットが大きいといわれます。

 「講義中、漢検対策に漢字の解説や予行演習などをするのですが、検定合格という明確な目標ができたからでしょうか、講義を欠席する学生も少なくなりました。学生たちにはしっかり漢字能力を磨いてほしいです」と話される加納先生。漢検の導入効果は、確実に上がっているようです。
国語学特講I・国語学特講II・国語学特講III・中国文字学概論I・中国文字学概論II


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