DVDドライブ購入にあたって
書き込み型DVD比較総合スレッド Part.49http://pc3.2ch.net/test/read.cgi/cdr/1063666586/
- DVDフォーラム規格
- DVD-R: まとまったデータの一括保存用。オリジナルDVDの作成や大容量バックアップ等に最適。最も普及し、互換性も初期のもの以外ほぼ全てのDVDプレーヤーで再生可。追記は可能だが、ドライブによっては読めなくなる場合があるので注意。書き込み速度最高4倍速(8倍速作業中)。色素変化記録方式。
- DVD-RW: まとまったデータの一括保存用。データの長期保存やDVDオーサリング試し焼き用。追記、編集できるが、制限がいろいろあって少し複雑。パケットライトソフトは、他の書き込みソフトとの競合に注意。1000回書き換え可。書き込み速度最高2倍速(4倍速作業中)。相変化記録方式。
- DVD-RAM: データをHDDのように扱える(焼きソフト不要)のでPCとの親和性が最も高い。信頼性・耐久性の高さの代償として物理的互換性を失い、互換性は一番劣る。直接書き換えが可能なため、こまめなバックアップ用途に向く。家庭用DVDレコでのシェアが最も高い。10万回書き換え可。2倍速と3倍速がある(5倍速作業中)。カートリッジの有無を選択可。相変化記録方式。ハードウェアによる自動ベリファイにより実質の書き込み速度は半分(1倍速/1.5倍速程度)になる。B'sRecorder5でベリファイOFFが可能だが、その場合ランダム書込み・消去は不可になる。
- DVD+RWアライアンス規格
- 書き込み型DVD規格の略史
- 前史: DVD-ROM規格制定時、東芝を中心とするSD陣営とソニー・フィリップスを中心とするMMCD陣営が主導権争いを演じた。この時、コンピュータメーカーの要請などにより調停が行われ、SD陣営の方式を軸にMMCDの利点を取り入れたDVD-ROMが制定される(1995年末)。この時にDVDコンソーシアムが作られ「DVD」規格がスタートした。そして、当時の通産省の働きかけで国際標準化が行われる。当初はクローズドな組織だったが、後にDVDフォーラムというオープン団体となった(1997年末)。 しかし、オープン団体となった事で特許の集約が滞るようになり、後に規格分裂を招く事となる。
- 書き換え型規格とその分裂: 書き換え型ドライブについてはコンピュータメーカーの要請により、1万回書き換えられる耐久性が要求された。特にDOS/WindowsのFATファイルシステムでは特定領域の書き換えが頻発する為、10万回書き換えを可能にした方式がSD陣営より提案される。これに対し、MMCD陣営は書き換え耐久性を無視した方式を提案する。結局SD陣営側の方式が採用されDVD-RAMとなる(2.6GB)、しかし耐久性などを考慮した結果DVD-ROMとの互換性が損なわれた。その後、4.7GBへの容量拡大が行われDVD-RAM2.0となる。また、この後8cmDVD-RAMも登場している。MMCD陣営の方式はその後PC+RW->DVD+RWと名称が変わる。当初3.0GBの方式であったが結局商品化は4.7GBまで持ち越される。MMCD陣営はその後DVD+RWアライアンスを結成、最初のDVD+RWドライブはリコーから発売された。その後DVD+RWの追記型としてDVD+Rを発表した。なお、DVD+R/DVD+RWはどちらもDVD+RWアライアンスのプライベート規格である。DVDフォーラムで認められた「正式なDVD規格」ではない。
- 追記型ドライブからの発展: 一方パイオニアはDVD-ROMのプレマスタリング用に波長635nmのレーザを用いたDVD-R1.0(3.95GB)の延長としてDVD-R/Wを提案(後にDVD-RWと改称)当初はDVD-R1.0と同じレーザで計画したが、結局は650nmのレーザとなる。SD陣営は強くDVD-RWを否定し採決で反対したが、IBMの賛成票で採用された。他の規格と同様にDVD-Rも4.7GB対応が行われたが、波長635nmのまま4.7GBに対応したプレマスタ用のDVD-RforAuthoring2.0とDVD-RWと同じ波長650nmとした一般用途DVD-RforGeneral2.0に分裂した。DVD-RforAuthoring2.0は対応ドライブ、メディアとも高価で入手が難しい。そのため一般的にDVD-RといえばDVD-RforGeneral2.0の事である。
- 多規格対応ドライブへの道: DVD-R/RWとDVD+R/RWでは大きな違いはトラッキング方式とメディアのウォブルの周期ぐらいである為、両対応ドライブが作りやすい。これが後のデュアルドライブとなる。書き換え型DVD方式の乱立に業を煮やしたグループにより、全ての方式に対応したドライブが提唱される。これがDVD-Multiの始まりである。なお、DVD-Multiといった場合は正式なDVD規格に対するものであるのでDVD-ROM/RAM/R/RWが含まれていればよい。一部のメーカーにより、DVD+R/RWにも対応したDVD-Multiドライブが既に登場している(つまり全部入り)。但しこれに対する正式な名称は無く、とりあえずスーパーマルチとかマルチ+と呼ばれている。(注:スーパーマルチはCD-R/RWにも対応したDVD-Multiに対しても使われる事がある)
- ビデオフォーマット
- DVD-VF: DVDフォーラムで採択された再生専用ディスクの映像記録用ファイルフォーマットであり、レンタルなどで借りられるDVDビデオに採用されている。中を覗いてみると.IFO.VOBなどのファイルがある。すべてのデータを一つのストリームとしてDisc上に配置する必要が有り、本来再生専用の規格として策定されている。そのため追記や書き換えなどのことは、一切考えられていない。民生機では、DVD-R/RWで採用されているがRWで記録し追記する場合にはファイナライズしないことが条件となり、その場合ファイナライズするまでは記録した機器でしか再生できないためDVDビデオとの互換性というメリットが生かせない。一般には民生機のRWでも後述するDVD-VRフォーマットで記録することが多い。ピックアップさえ対応していればR/RW/RAMの全てがDVD-Videoフォーマットでの書き込み・再生することが出来る。
- DVD-VRF: DVD-Video同様DVDフォーラムで採択された。再生・録画を念頭に置いた映像記録用フォーマットであり、多くの民生機のDVD-RW/RAMで採用されている。DVD‐Videoフォーマットと異なり、データを一つのストリームとしてDisc上に配置する必要が無いため、ランダムアクセス書き込みが可能である。このため、録画用のファイルフォーマットとしてアドバンテージがあり、この点でDVD-VRFはDVD-RWよりDVD-RAMの方が親和性が高い。採用しているデータフォーマットはDVD-Videoと同様であり、DVD-VRF→DVD-Videoの変換は民生機でもPC上でも容易に出来る。但し、DVD-Videoと互換性が無い部分がある(.IFO,.VORファイルなど)があるので、A)読み出しが物理的に可能なこと、B)DVD-VRの再生に対応していることが必須となり、再生環境は限定される。CPRM対応
- DVD+VRF: DVD+RWアライアンスで採択された、再生・録画を念頭に置いた映像記録用フォーマットであり、民生機ではソニー・フィリップスが採用している。DVD-Videoとの互換性を最大限維持し、部分削除・追記が可能である。しかしその性質上、編集・部分消去による空き領域の細分化が起こり、メディア全体の消去と整理をしないと長時間記録が出来なくなる。DVD+RWで初めて採用された。また互換性の保証はないが現在はDVD-RWでも使用することが出来る。DVD-VRFに比べ再生互換性は高く、編集してもDVDプレイヤーで再生可能とされるが、完全な互換性を保証するものではない。
- ドライブ選択ワンポイントアドバイス
- -R/-RW:コストパフォーマンス、速度重視の方に。
- Multi(RAM/-R/-RW):信頼性重視の方やRAMレコとの連携重視の方に。
- Dual(±R/±RW):±を相手によって使い分けや、リライト速度重視の方に。
- Multi+(RAM/±R/±RW):心配性な方に。速度は速いが価格が高い。
- +R/+RW:ROM化が必要な場合は+RW/R単体ドライブ。
- DVDの互換について: DVDは、機能別に、再生専用形(ROM系)、記録形(R系)、書換形(RAM系、RW系)の3種類があります。それぞれ物理レイヤー、論理レイヤー、アプリケーションレイヤーの3重のレイヤーからなり、さらにそれぞれにフォーマットがあります。これらが合致して、初めて互換性が確保できます。*1
- 上記の組み合わせから、各ディスクのサポートするフォーマット