TNS1日目

・アオスゲ類標本概数(ジーナスカバー)
北海道1(38),東北1,関東1,北陸1,近畿1,四国1,吸収1,琉球1,邦外1,地域未整理4.カバー1あたり40枚として520標本.1ケースの4分の1程度を占めている.
シノニムはbreviculmisでまとめられており,イトアオスゲは区別していない.ハマアオスゲ,ヒメアオスゲは別としている.

・標本庫
実験植物園だけあり,5階建ての建物には植物の研究者だけが住んでいる.標本は2階と3階に分けられており,単子葉は3階とのこと.シダも3階のもよう.Cyperaceaeは分類群番号337,レーン番号7,ケース番号70-72.閲覧者名簿の脇に一覧表があるので迷うことはない.閲覧時の注意事項は特に目立つものはないが目をちゃんと通してもらうのが流儀らしい.
庫内は温度湿度調整はもちろん,標本ケースの各棚にナフタレンを盛ってあるほどにナフタレン量が多く長時間いると苦しいらしい.2階に6畳ないし8畳ほどの標本閲覧室が設けられており,今回はそちらで作業を行っている.作業用のPC(LAN非接続),実体,光顕がある.実体は光源がないのと可視範囲が狭いので正直使いづらい.作業台は生物系準備室の大台の1.5倍程度.今回は自分1人で使えるのがありがたい.名簿を見る限り東大や京大ほどの出入りはないようだ.すぐ前のページに佐藤さんの名前があった.

・スタッフ
近田先生(多忙につき数十分話したのみ,10日以降は外出で会えない),宮下さん(北大農学部出身,非常勤で一昨年の秋頃から),あともう1人アルバイト.近田先生はあと1年で定年とのことで,最近は表舞台には立たず地域フロラと形態の変異を気にしているとのこと.かつてはシダ植物の胞子形態の発生過程による分類,ラン(ガガイモ)花粉の花粉塊の形態と分類をしていたとのこと.形態と分類といえば2,30年前のトレンドだったっけなあ.
近田先生の他には角田先生,秋山先生が植物分類に近い分野を担当しているようである.二人の先生には顔を合わせていない.出張等につき在室されていないのかもしれない.

・標本調査
9:30頃植物園入り,10:30頃開始,12:30から1時間ほど昼食休憩,植物園は筑波大の隣に位置するので学食を食べてみようと行ってみたら最も近いのが体育系分野対応の食堂で,天ぷら丼と小そばで280円と安かったが大味で食傷気味.実は下階にも食堂があり,こちらは普通のメニューだったことが判明.これは失敗だったのか,筑波大らしい学食にありついたというのか.昼なのに人が少なかったあたり,ややもすると学生にも人気がないのかもしれない.17:00作業終了,施設の都合らしいがこれは痛い.実体顕微鏡の使いづらさとネットラジオに耳を傾けていたために20標本の処理にとどまる.明日は,40目標でやろう.
これはイトアオスゲだろう,と思われる標本を2枚ほど再同定してみる.これでいいのだろうか.

・かはくハウス
入口から部屋から施錠となっておりセキュリティを意識している.かはくハウス・植物研究施設共通のゲートは夜間カードキーで解錠する.このキーも預かっている.
領収書が英語対応だったこと,施設内が立派なことから,この施設は幅広い国籍・年齢の方に利用されているのだろうと推察された.
個室内の設備は風呂,トイレ,洗濯乾燥機,台所,食器,クローゼット,ベッド,テレビ,空調,作業台などと長期間の生活にも耐える内容であり,作りとモノにお金がかかっているように思えた.ここまでありながらビジネスホテルにありがちな歯ブラシ,浴衣がない.ティーセットがありながらお茶っ葉が無いのも不思議.
何よりPHSの電波の届きが悪いのが嫌,油断するとレッドランプが点灯してしまう.

・食材調達
植物研究部の自転車をお借りしてスーパーへ.東大通りを少し北に行ったところチェーン系飲食店やスーパー,コンビニ(ローソン=ATM設置,セブンイレブン=ATM設置)が並ぶ通りに当たる.ここを右折.カワチ薬品はやっぱり安かった.カスミはやっぱり微妙だった.うどんとパンをあわせて6食分買う.1000円也.カスミの総菜コーナーにあった値引後の弁当が1食200円を切っており,これを大量に買った方が栄養バランスが保たれたかもしれないが,それでは面白くないという理由で却下.
店には筑波大生と思われる人が多くいたように思われる.これから集まって菓子などつつくのかな,と云うグループとか.みんな自分よりオサレだった.当然か!